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自粛生活の中で、子どもの気になる様子(サイン)が見られた場合などについて、臨床心理士の高木紀子先生に伺いました。

Q&A

「母と子の心のケアについてのQ&A」

その2 自粛生活で母親自身が不安に感じる場合

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Q9.毎日、子どもと二人きりで、大人と会話する時間もなく本当につらいです。どうしたらよいでしょうか?

A.

 子どもと二人っきりだと煮詰まってしまいますよね。子どもの昼寝などで大人一人の時間が取れるのでしたら、以下のようなことがお勧めです。
 ◆WEBで人と繋がる
 ◆未来の自分あてに「今の自分はこんな状況です、〇〇がしたい です」などと手紙を書く
 ◆未来の自分になりすまし、今の自分に「今のうちに〇〇を楽しんで!」などと手紙を書く
 ◆自分のために、贅沢なカップでお気に入りの紅茶やコーヒーを味わう
 ◆いつもとは違うメイクをする
 ◆最近は着ていなかった服や着けていなかったアクセサリーを身に着ける

 子どもと二人の状態に煮詰まってしまうのでしたら、以下のようなことがお勧めです。
 ◆ぼろ布(着古しのTシャツなど)を切って使い、「ホコリ取り大会」をする。電気のスイッチやテレビの裏側などは収穫大です。
 ◆床をぼろ布で磨く「ぴかぴか大会」。「うわあ!〇〇ちゃんのところキレイになっている!」などの声かけが長続きのコツです。
 ◆一緒にレタスをちぎったり、キュウリを切ったり(スプーンで切れます)して、「サラダ大会」。ドレッシングなどで和えてサラダに。手間がかかっても、「助かったわー」の一言が、次回のモチベーションに繋がります。
 ◆どうにも疲れている時には、「お昼寝大会」や「うきうきコンビニ弁当の日」もありです。

 以上のこともできそうにもないくらい煮詰まった時には、子ども家庭支援センターなどに電話してみましょう。さらなる、時間の過ごし方のアイディアがもらえるはずです。

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Q10.イライラがたまって、子どもに手をあげたくなった時の対処法を教えてください。

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A.

 子どもと距離を取ること! 手をあげたくなったら6秒数えるだけでも違います。どうにもならない自分がいると感じたら、「ママは今日、頭が痛いから寝ます」と宣言して、子どもが退屈しないものを与えて寝てしまいましょう。火や刃物、薬品など危ないものだけは排除してください。
 仮に頭が痛いわけではなくても、「頭が痛い」「お熱がある」などとわかりやすい説明をしましょう。子どもは親が相手をしてくれないと、自分が嫌われたと勘違いしてしまうこともあるので、それを防ぐようにしてください。
 もしも今、これを読んでいて少し余裕があるのであれば、今のうちに自分の「ストレス解消法」を考えておけるとよいですね。ヨガのポーズをするとか、甘いものを食べるとか、モノを捨てるとか、自分ならではのストレス解消法を書き出しておくのがお勧めです。ちょっと疲れてきたり、些細なことに引っかかってきたりしたら、早めにそのストレス解消法を実行してください。
 これは避難訓練と一緒なので、弱っていない時によく考えておくことが大切です。参ってしまうと何も浮かばなくなりますから。Q12も参考にしてください。

Q11.自粛生活の無力感から子どもに申し訳ない気持ちになってしまいます。どうしたらよいでしょうか?

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A.

 個人の気力や頑張りではどうにもならないことはあるものです。割り切りましょう。
 様々な状況の中で人類は生き抜いてきました。日本で言えば、震災や台風の被害があっても、生活は毎日続き、その中で子どもは育ってきました。作家の曽野綾子さんは戦争体験について、防空壕に何度となく入ったけれど、不謹慎ながら子ども心に大人と一緒でわくわくしていたというようなことを書いています。子どもの視点ではこの生活はどう見えるのか、いつかお子さんが大きくなったら聞いてみたいですね。

 次のQ12も参考にしてください。

Q12.近くに知り合いもなく、もともと何かをお願いしたり頼んだりすることが苦手な性格です。困った時にサポートや相談できる機関を教えてください。

A.

 地域の保健所や子ども家庭支援センターがよいでしょう。ぜひ、連絡をしてみてください。必要があれば、別の機関の紹介もしてくれます。また、前述のQ10.11のようなイライラや無力感などについて、お話を聴いてもらうこともできますよ。
「話す」ということにはものすごく浄化効果があります。こんなことで電話してよいのかなと思わずに気軽に電話してください。

Q13.在宅勤務の夫が家事に口出ししたり、何も手伝ってくれないことにイライラして、ケンカになります。気持ちを切り替えるよい方法はないでしょうか?

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A.

 役割分担についてのトラブルは生じるのが当たり前と思いましょう。
 ちょっと想像してみてください。小学1年生に、何も説明せずに「はい、教室を掃除してね」と伝えたら、やろうとしない子、勝手にやる子、威張る子などで大混乱しますよね。では半分の子だけに掃除のやり方を教えて、「はい、掃除して」と伝えるとどうなるでしょう。やり方が違うとか、やり方を知らない子がやらないとか、威張るとか、やはり混乱するのですよ。お掃除当番の順番が円盤状の掲示物で示されていたり、班長がいて指示系統が明確になっていたのは、案外、理にかなっていたものだったのですね。
 コミュニケーションは親しいほど難しいものがありますが、ここは臆せずに「叱られた気分でちょっと落ち込むわ」とか、「在宅の時は〇〇はやってほしいな」などと正直な心境を「ニュートラル」に伝えられるとよいですね。「だったら全部やってよ!」とか、「いい加減にしてよ」などとケンカ口調になると生産的なコミュニケーションにならないので、ニュートラルに心境を伝えることです。
 もしかすると、夫の側は、口出しのつもりではなく、「希望の伝達」だったのかもしれないですし、何もやらないつもりはなくて「何も気が付かないだけ」だったのかもしれません。気が付かないだけでも腹が立つかもしれませんが、気が付かない人には教えるしかないですね。子育てと同様、夫育ても必要に応じてしていきましょう。人を育てているようで、実は自分も育っていたなあというのが、3人の子を育てた私の感想です。

Q14.臨時休園が終了し、登園が始まったあとも日常生活の自粛は続き、それがいつまで続くかわからないことへの不安は、どう解消したらよいでしょうか?

A.

 「リフレーミング」という言葉をご存じですか? これは、「物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、別の枠組みで見直す(リフレーム)」ということです。例えば、「取り掛かりが遅い」と言うとマイナスですが、「決断が慎重」とか、「(一つ前の活動に)没頭するタイプ」と言うとプラスの意味になってくるようなことです。
 さて、自粛生活の延長を「窮屈でしんどい」と感じるのは当然のことではありますが、ちょっとリフレーミングしてみると、どんなことになるでしょうか。時間枠を外して、未来から今を見てリフレーミングしてみると、「じっくり暮らせる静かな時間がたっぷり」とか「人づきあいが少ないのはそれなりに楽なのかも」などと見えてくるのではないでしょうか。
 できない〇〇に注目せずに、リフレーミングによって、今できる〇〇に注目してみるのもよいですね。リフレーミングを身につけられると、予測不可能なことも不安材料ではなくなってきますよ。

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高木紀子先生

公認心理師、臨床心理士、清泉女子大学・中央大学非常勤講師。
保育園、小中学校の巡回や、高校のスクールカウンセラーを務めるなど、親と子ども双方の声を聞き、様々な相談に答えている。2男1女の5人家族+猫2匹の生活。

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